大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1125 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を名古屋高等裁判所に差戻す。

理 由

弁護人高井貫之、島田新平の上告趣意第一点について。

所論は、原判決はAの大藏事務官に對する第一回乃至第三回の質問調書中の供述

記載を証拠に供しているが、右質問調書は原審公判において適法な証拠調がなされ

たものではないから違法であるというにあり、記録を調査するに、原審は第四回公

判において証拠調を行つているのであるが、所論Aに對する大藏事務官の質問調書

は、証拠調の対象となつていないことが明らかである。そして右質問調書は本件の

罪証として有力なものと認められるのであり、かかる証拠を他の証拠と綜合して、

犯罪事実を認定したことは違法といわねばならない。

同第四点について。

原判決は、所論のとおりその判示にかかる英国汽船B号の乗組員である中華船員

が連合国占領軍、その将兵又は連合国占領軍に附属し、若しくは随伴するものであ

ることについて、何等の証拠を舉示していないのであるから、証拠に基ずかずして

事実を認定した違法があるものといわねばならない。

以上原判決の違法は判決に影響を及ぼすものであり且つ著しく正義に反するもの

と認められるから他の論旨についての判斷を省略し刑訴施行法三条の二刑訴法四一

一条、刑訴施行法二条舊刑訴四四八条ノ二により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官平出禾関與

昭和二六年一二月二八日

最高裁判所第二法廷

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裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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